脱アメリカ時代の株式投資
2025年3月6日 17:28
アメリカは世界の番犬の役割を演じることを止め、保護貿易主義に傾倒することで自由貿易に逆行し、国民に対する最低限のサービスの提供すらコミットしなくなっています。
それは世界に衝撃を与えています。世界各国は(もうアメリカには頼れないぞ)という認識を抱き始め、例えばドイツはベルリンの壁崩壊の時以来の巨大な経済支援予算を策定に動いています。
それは世界が脱アメリカ(Post America)時代に突入したことを暗示しています。
いま、この世界の構図を財政政策の視点から見れば、米国は財政緊縮を目指す一方で欧州は財政出動に大いに乗り気です。
次に金利政策ですが今回の利下げサイクルでの米国の利下げ回数はわずか3回なのに対し欧州中央銀行(ECB)は5回、中国人民銀行は5回、メキシコ中銀は6回、アルゼンチン中銀は9回の利下げを実施しています。つまりアメリカは利下げが足らないのです。
先日、アトランタ連銀のGDPナウが改定され、足元の米国のGDPは−2.8%の成長と発表されました。普通、経済がコントラクションを起こしている局面では①積極的に財政出動し、②金利を下げる、というのがケインズ以来の経済学の常識となっています。アメリカは、そのどちらもやっていません。
つまりトランプ政権の経済運営はハチャメチャであり、大統領の人気取りこそが現政権の唯一のアジェンダになってしまっているのです。
我々は、素直に、(それじゃアメリカ以外に投資すればいいんでね?)という発想をすべきです。
そこで浮上する投資アイデアがヴァンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF (VXUS) です。同ETFは「X US」、すなわちアメリカ以外の全ての世界にこれひとつで投資できるETFとなっており、具体的には;
新興国 26.9%
欧州 39.2%
太平洋 25.7%
中東 0.60%
北米 7.6%
その他 0.00%
となっています。
組入上位銘柄は;
台湾セミコンダクタ 2.48%
テンセント 1.01%
SAP 0.94%
ASML 0.90%
ノボ・ノルディスク 0.81%
トヨタ 0.68%
ネスレ 0.68%
ロッシュ 0.67%
アストラゼネカ 0.65%
ノバルティス 0.65%
などとなっています。組み入れ銘柄数は8,569で、米国株を除く世界の株式をほぼ網羅しています。極めて分散が効いているポートフォリオと言い直せます。
ポートフォリオの株価収益率(PER)は15.9倍とリーズナブルです。株価純資産倍率(PBR)は1.8倍です。
これまでは米国株が世界よりアウトパフォームしてきたので、VXUSのような投資対象は顧みられて来ませんでした。過去10年の年平均パフォーマンスも5.02%と低いです。しかしトランプが大統領になってからは話が違います。年初来のパフォーマンスは既に5.29%であり、米国株を大幅に引き離しています。