ドイツ株が好調な理由
2025年3月6日 04:42
ドイツのDAX指数が年初来+10.6%と好調です。
ドイツ株が好調な理由は2つあります。
まず欧州中央銀行(ECB)はこれまでに5回の利下げを行い、欧州市場は**「金融相場」の真っ只中にあるからです。
それに加えてドイツは積極的な財政出動**、とりわけ防衛費の積み増しの準備に入っています。その理由はこれまでの欧州の共同安全保障の要であった北大西洋条約機構(NATO)にアメリカが消極的になっているためです。この支出増で2026年のドイツのGDP成長率はこれまでの+0.8%から+2.0%成長へと加速するという観測が取り沙汰されています。
つまり金融緩和と財政出動という夢のような組み合わせがパワフルにドイツ株のブル相場を駆動しているわけです。
それではドイツに財政拡大する余地があるのか? と聞かれれば、これは十分にあります。なぜなら同国の政府負債のGDPに対する割合は僅か62.9%に過ぎないからです。日本は255.2%、アメリカは122.3%です。
ドイツの国民は1920年代のハイパー・インフレや第二次世界大戦後の通貨改革で苦しい思いをした経験があります。そのためインフレに対する警戒感が強いです。
また欧州連合(EU)は安定と成長に関する協定(Stability and Growth Pact)を通じ加盟国に対し財政赤字や債務の上限を求めることを主張してきました。その旗振り役であるドイツが率先して財政規律があるところを示す必要があったのです。
また2011年に導入された「債務ブレーキ(Schuldenbremse)」により単年度の構造的財政赤字をGDPの0.35%以内に収める努力目標が設定されました。この「シュヴァルツ・ヌル(黒字均衡)」のメンタリティーがドイツの債務を低く抑えてきたわけです。
しかしここへきて米国がNATOから「足抜き」をする素振りを見せ始めているので、ドイツは少なくともNATOがレコメンドしているGDPの2%を軍事費に割くことだけでもしっかりやろうという国民的コンセンサスが醸成されつつあるのです。
この軍事支出は主にドイツ国内の軍事関連メーカーにとって追い風となります。火砲、装甲車のラインメタル(Rheinmetall AG)、レーダー、光学センサーのヘンゾルト(Hensoldt AG)、潜水艦の**ティッセンクルップ(ThyssenKrupp AG)**などが関連銘柄になります。