投資戦略
2025年2月27日 15:59
投資戦略をアップデートします。
■エヌビディア
エヌビディア(NVDA)の決算は、かろうじて事前コンセンサス予想を上回る「良い決算」でした。
しかしアップサイド幅が今までになく僅かでした。
来期の売上高ガイダンスは大きな幅が持たせてあり会社側も需要が読めてないことを示唆するものでした。
ブラックウェルのシステムは、工程が多く、外部業者への依存度も高いので、グロスマージンは圧迫されています。
価格競争に関しカンファレンスコールでの会社側の説明は「エヌビディアは汎用AI半導体の会社であり最も柔軟性のあるソリューションを提供している」という主張を繰り返すばかりで、来る価格破壊に対する準備が出来てないことをうかがわせました。
■関税
関税導入が国家間対立の引き金となり、さらにインフレを誘発するという不安を幅広い消費者ならびに投資家が抱いています。
それがインフレ期待をもたらしています。
トランプ大統領は欧州に対しても25%の関税を課すことを近く発表する考えです。またカナダ、メキシコに対する25%の関税はさらに一ヶ月導入が延期され、4月からとなる予定です。
■インフレと景気後退
インフレが高止まりしているので連邦準備制度理事会(FRB)は利下げができず、それが既に陰りの見えている米国経済を救うために機動的な利下げを実施することを妨げてしまっています。
スコット・ベッセント財務長官の考える3%のGDP成長は到底達成できそうもありません。
景気後退を予期する格好でドルが売られています。
長期金利がスルスル下がってきているのも市場参加者が景気後退を予想していることのあらわれです。
■イーロン・マスク嫌悪
連邦政府財政削減が公務員の雇用不安を招いています。
イーロン・マスクの政府効率化省(DOGE)が米国際開発局(USAID)を廃止したことに加え教育省、保健福祉省の廃止、国防総省の予算削減、連邦預金保険制度の縮小、銀行監視当局の統合を計画していることに対し国民は強く反感を抱いています。イーロン・マスクは今、米国民から最も嫌われている人物と言えます。トランプ政権への支持率も過去50年の大統領の中で最低となっています。
■予算、連邦債務上限引き上げ問題
下院共和党の示した予算、連邦債務上限引き上げ、国境警備、トランプ減税の延長などを含んだ大型法案が下院で可決されました。
今後同法案は上院に回されます。
同法案には期待されたような追加的減税は盛り込まれていないです。また法人税率の減税も見送られました。
それでも関税の導入による国庫の増収が遅れていることから財政赤字をGDPの−3%以内に抑えるというスコット・ベッセント財務長官のターゲットは達成出来ない見通しです。
もし上院で同法案が成立すれば、連邦債務上限引き上げ問題を巡る不透明感は払拭されることになります。
■エネルギー価格とウクライナ停戦
原油・天然ガスに関しては米国シェール企業の増産は起きていません。しかしウクライナ戦争が終結すればロシアの石油・天然ガスが市場に出てくるという思惑から原油価格、天然ガス価格は下げ始めています。
■個人投資家の「しこり」
いわゆる**「トランプ・トレード」はことごとく失敗しています。派手な投資ストーリーに乗せられた個人投資家は追証や強制決済で痛手を受けています。いわゆるBRO銘柄、暗号資産の多くはチャートが崩れており、戻り待ちの売り圧力が強く、短期的な出直りは絶望的です。
■欧州株の好調
一方、ドイツに目を転じると、先の総選挙では穏健中道派が勝利し、むしろこちらの政治のほうが安定感が出てきています。欧州は金融相場の真っ只中にあり、安心して買って行けます。
■ポートフォリオ
米国だけに偏った投資をせず、新興国フロンティア・マーケット、欧州株などに分散したポートフォリオを構築すべきでしょう。とりわけ米国の大型ハイテクは避けるべきです。
米国株ではボーイング(BA)が今後数年間に渡る長期ブル相場に入ってゆくと思います。
ドイツ株ではアリアンツ(ALIZY)をコア銘柄と考えています。
フロンティア・マーケットではバングラデシュのBRAC BACK(現地株)が株価収益率(PER)8倍で取引されており割安感が強いです。
ウクライナ復興関連銘柄はコーエン・サークル(CCIR)とヴィーオン(VEON)**です。
**インド小型株ETF(SMIN)、ベトナムETF(VNM)、インドネシアETF(EIDO)**も魅力です。
米国のマーケット、経済に対する予想に変更はありません。
目先米国株は軟調な相場展開を予想します。3月に底入れした後、5月末までラリーし、「セル・イン・メイ」となるでしょう。7月から8月にかけて相場は出直るものの、8月と9月は再び軟調を予想します。
2025年末のS&P500のターゲットは6300を予想します。
2025年末のドル円は141円を予想します。
2025年末の10年債利回りは3.7%を予想します。
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.25%を予想します。
2025年末の失業率は4.7%を予想します。
2025年末の消費者物価指数は2.2%を予想します。
2025年末のGDPは+1.8%を予想します。