第二次世界大戦終結後に確立された戦後体制の枠組みが、いま崩れようとしている ゴールドは買いだ
2025年2月20日 19:36
トランプはウクライナ戦争を終結させる目的でロシアと対話を開始しました。
その過程でトランプはウクライナも、そしてEUもスルーし、直接、ロシアとシャンシャンする姿勢を明確に打ち出しています。
その様子は「敵同士が手を組んだ」、1939年8月23日に電撃的に成立したモロトフ・リッベントロップ協定(独ソ不可侵条約)を想起させます。
そこではポーランド分割ならびにエストニア、ラトビア、リトアニアをソ連の影響下に置く密約が結ばれました。
この協定成立のすぐ後、1939年9月1日にドイツはポーランドに侵攻、1939年9月17日にはソ連がポーランドに攻め込み、あっという間にポーランドという国は消滅しました。
もちろん、今回のアメリカの狙いはウクライナ戦争を終わらせることであり、アメリカがウクライナの西半分を支配する意図はゼロです。しかし敢えてこれまで仲良くしてきたEU諸国をシカトし、敵と組むトランプのやり方はマーシャル・プラン、北大西洋条約機構(NATO)、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC=後のEU)というアメリカが仕組んだ戦後体制の枠組みを放り出すような乱暴な行為であり、欧州各国にはショックが走っています。
さて、言うまでもなくドルは世界の基軸通貨です。普通、基軸通貨の地位に君臨するためには巨大な経済、強い軍事力、大きな通商のネットワークなどの要件を満たす必要があります。これらはいまも揺らいでいません。しかしもうひとつの要件である基軸通貨国に対する信頼に関しては世界の多くの国々が**(もうアメリカは信用ならない!)**と感じています。
基軸通貨の信頼が揺らぐ局面ではゴールドが買われます。
実際、ゴールドはあと僅かで$3,000の大台に乗せようという勢いです。
ゴールドのETF(GLD)が一番手軽な投資先であることは自明でしょう。
それに加えて、金鉱株がとても割安で取引されていることに目が向きます。
いま主要各社のゴールドの埋蔵量を見ると;
ニューモント 9,600万オンス
バリック 7,600万オンス
アングロゴールドアシャンティ 2,600万オンス
ゴールドフィールズ 4,800万オンス
ハーモニー 3,600万オンス
アグニコイーグル 4,800万オンス
になります。各社の株式時価総額÷確認埋蔵量を計算してやると、1オンスの埋蔵量に対し株式市場の投資家が何ドル支払っているか? を計算できます。その値を示すと;
ニューモント $375
バリック $447
アングロゴールドアシャンティ $346
ゴールドフィールズ $229
ハーモニー $56
アグニコイーグル $520
となります。つまりアグニコイーグルは割高に買われており、ハーモニーは割安なのです。なぜこれほど差が出るか? という理由は採掘コスト(AISC)にあります;
ニューモント $1,210
バリック $1,220
アングロゴールドアシャンティ $1,400
ゴールドフィールズ $1,100
ハーモニー $1,710
アグニコイーグル $1,050
つまり採掘コストが大きい産金会社は低評価に甘んじているというわけです。しかし現在ゴールド価格は$2,953なわけで、ハーモニーのような高コスト体質の会社でもウハウハ儲かる状態になっています。してみれば含み価値の大きいハーモニーも、もっと注目されて良いのではないでしょうか?
いま金価格を上の「1オンスの埋蔵量に対し株式市場の投資家が何ドル支払っているか?」で割り算すれば「ゴールドそのものではなく産金会社株を買うことで理論上、何倍の地中に埋まっているゴールドの含みをGETできる? という含みの支配倍率が計算できます;
ニューモント 7.87倍
バリック 6.6倍
アングロゴールドアシャンティ 8.53倍
ゴールドフィールズ 12.88倍
ハーモニー 52.7倍
アグニコイーグル 5.67倍
コモディティ価格が急騰する局面では「含み価値の支配」に注目するトレードが有効ですが、その観点からはハーモニーが圧倒的に魅力だと言えます。