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円急騰の背景

2025年2月20日 15:35

2月20日の外為市場ではドルが一時150円に肉薄するまで売られました。

何が背景になっているのでしょうか?
 
国際決済銀行(BIS)の外為市場調査によるとFXは金融機関同士の取引が大半を占め、輸出入に伴う取引や実際のヘッジなど実需筋が占める割合は全体の5~10%に過ぎないです。
 
金融機関同士の取引の中身は裁定取引、短期売買などで投機的取引もこれに含まれます。
 
そのような金融取引は色々な要因によってトリガーされますが、その最たるものはそもそもそういうトレードを行う際のコストの変動でしょう。
 
FXの場合、レバレッジ取引が基本になりますが「レバレッジ」とは借金もしくは信用に他なりません。つまりトレードを行う際のコストの少なからぬ部分は金利なのです。
 
一例としてキャリー・トレードでは金利の高い通貨を買い、同時に金利の低い通貨を売ることで金利差分の利益を狙います。するとどちらか一方の金利が動いてしまうと「金利差狙い」のソロバンが崩れてしまうわけです。
 
「利上げ」、「利下げ」などの材料がFX市場に大きく影響する理由はここにあります。
 
いま日銀は利上げサイクルの真っ只中にあり、これまでに3回利上げしました。一方、欧州中央銀行は利下げサイクルにあり、これまでに5回利下げしました。米国の連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ回数は3回です。このように日本とその他先進国の政策金利のベクトルは「あっち向いてホイ!」の状態になっており、円買い圧力は自ずと強くなるわけです。
 
もうひとつの外為取引のトリガーとしてリスク選好、リスク回避などのセンチメントを無視するわけには行きません。
 
投資家がリスクを取りたい時は、高金利通貨や新興国通貨が買われやすいです。
 
一方、地政学リスクなどが引き金となり、リスク回避が強まると「安全な自国通貨に戻そう!」という心の動きが出ます。
 
いまはトランプ政権が関税などの面でいきなり何を言い出すかわからないので無理したくない投資家が多いです。

さらに1947年~1951年にかけて米国が打ち出した、マーシャル・プラン、北大西洋条約機構(NATO)、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)=のちの欧州連合(EU)などの戦後体制の枠組みが、いま音を立てて崩れようとしていることも国際情勢の不透明の原因となっています。
 
新しい世界の外交の枠組みがハッキリ見えてくるまでは円高が続くと思います。