日本でビットコインETFが解禁されたらMSTRはどうなる?
2025年2月11日 17:31
日本の新聞報道で暗号資産を有価証券に並ぶ金融商品と位置づける方向で検討が開始されたことが報じられました。日本で暗号資産ETFの解禁も視野に入れられているそうです。
現在、日本のネット証券はビットコインETFやイーサリアムETFを取り扱っていません。しかし既に米国で上場されているこれらの暗号資産ETFを日本のネット証券で買えるようになれば、ストラテジー(MSTR)株を買うメリットは大幅に薄れると思われます。
ストラテジー(=つい最近マイクロストラテジーから社名変更しました)は現在471,107のBTCを保有しています。現在のBTC価格は$98,387なので463.5億ドルの価値のBTCを保有しているわけです。
ウォールストリート・ジャーナルのデータでは現在のMSTRの時価総額は840.8億ドルとなっています。
するとMSTRを買うことによって得られるBTCの価値はMSTRの株価の55%に過ぎません。もちろんMSTRにはレガシーのソフトウェアのビジネスがあり、それは無価値では無いと思うけれど、その部分の価値はせいぜい5%程度でしょう。するとBTCではなくMSTRを買うことで投資家はいきなり−40%の理論上の損をする計算となります。
しかしそのような小さなイントリンシック・バリュー(内在価値)しかないMSTRをこれまで投資家がわざわざわ買ってきた理由は;
1. 日本の税率では暗号資産は最大55%の税金がかかる
2. MSTRは普通の証券口座で取引できるので便利
という理由があったからです。
いまビットコインETFが買えるようになれば、MSTRだけが持っていたこれらのメリットは消えてしまうわけで、わざわざ−40%の内在価値減損をおかしてまでこの株を買う理由は薄れます。
なおMSTRは自社の株がBTCの価格より遥かにプレミアムで買われていることを利用し、アット・ザ・マーケット(ATM)オファリングという手法でこれまでに210億ドルもの新株を発行、資金調達をして、そのキャッシュでBTCを購入してきました。つまり売り浴びせです。
MSTRのこれまでのBTC取得価格は平均すると$64,000になります。
MSTRの株価がMSTRの保有するBTCの内在価値より高い水準で取引されている間は、ATM売り出しで資金調達しBTCを買い入れることはアクリーティブ(=得になる)です。したがって今後もどんどん新株を出してBTCを買うことが経営者としては合理的な判断となります。しかしそれで損するのは割高に取引されているMSTRを買う投資家です。