石破トランプ会談の目玉となったアラスカ産LNGとは?
2025年2月10日 06:46
先週の石破トランプ会談で石破首相はアメリカに対し151兆円(日本国民一人当たり120万円超)の投資をすると約束しました。トランプ大統領は「アラスカの天然ガスを開発し、それを日本が買うことで貿易黒字を減らせば良い」と主張しました。市場関係者はアラスカ産LNGのことを良く理解していないので「?」という反応が多かったです。
説明します。
まずアラスカでは現在太平洋川のアラスカ湾、クック入江で天然ガスが生産されています。
しかしここはそろそろ取り尽くしてしまうので生産高は現在の200mmcfd から2035年までに0になると見られています。
資源が枯渇することがわかっている施設に対して追加投資する企業は無いので、このままだとクック入江にあるニキスキ港への投資コミットメントを得にくい状況です。
しかしアラスカの天然ガスが全部枯渇してしまうわけではありません。
アラスカの北極海側(ノース・スロープ)の**「アラスカ国家石油リザーブ(NPRA)」指定地には可採埋蔵量35兆立方フィート(Tcf)の天然ガスが確認されています。さらに米国地質調査所(USGS)は100~200兆立方フィートの技術的可採資源があると試算しています。
テキサスのパーミアンの可採埋蔵量が80~100兆立方フィート、米国東部のアパラチア盆地などを含むマーセラスシェールガス田全体では最大200兆立方フィートの可採資源ですのでアラスカのノース・スロープはパーミアンやマーセラスに匹敵する規模になり得るということです。
しかしノーススロープは自然条件がとても過酷なので、そこに大きな出荷施設を作るのは難易度が高いです。また北極海は水深が浅く、しかも砕氷船が必要となります。
そこでノース・スロープの天然ガスをまず陸路、すなわちパイプラインでニキスキ港に運び**、そこに浮体式LNG貯蔵再ガス化設備船(FSRU)を据え、そこから日本へ出荷するという方法が考えられます。直径42インチ、延長765マイルのパイプラインを総工費149億ドルで2031年までに敷設し1日3.3bcfdの流量で送り込むわけです。
ニキスキ港出荷時の単価は$10.6mmbtu、それにクック入江から日本までの輸送コスト$0.93mmbtuを足した**$11.53mmbtu**が日本での受取コストになります。