「AIのスプートニク・ショック!」でハイテク株が急落
2025年1月27日 16:28
1月27日(月)海外市場でエヌビディアをはじめとするハイテク株の気配が急落しました。
そのキッカケになったのはマーク・アンドリーセンが「**ディープシークR1はAIのスプートニク・ショックだ!」**とツイートしたことによります。
スプートニク・ショックとは1957年にソ連が世界初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げに成功したことによりアメリカをはじめとする西側諸国に広がった衝撃、危機感を指します。つまりソ連がアメリカより先んじて高度なロケット技術、宇宙開発能力を有しているのではないかという焦りです。
ディープシークは中国で始められたAIスタートアップで、限られた予算でR1という大規模言語モデル(LLM)を作り、無料で一般公開したのみでなく、安い予算でどうすればLLMが出来るかをホワイトペーパーで示しました。
ディープシークR1の出来栄えは、現在、稼働している世界のAIのトップ10に入る出来栄えであり、なにもエヌビディアのブラックウェルのような最新の技術を使わなくても「じゅうぶん間に合う」程度のAIなら構築可能ということを実証したわけです。
ディープシークR1がリリースされたことは、メタ・プラットフォームズなどの会社が湯水のようにAI設備投資行っているのは「予算の無駄遣いでは?」という疑問を生じさせました。
もともとディープシークR1を考案した梁文峰はハイフライヤーと呼ばれるヘッジファンドを始めた人で、AIを使い、マーケットを動かす材料を瞬時に判断し、高速トレーディングするシステムを開発しました。その過程で安上がりに大量のデータを処理する手法を編み出したのだそうです。
アメリカ政府はエヌビディアの最新鋭の半導体を中国へ輸出することを禁止したわけですが、それで現在中国に入っている半導体は一世代前の旧式なものであり、ディープシークR1はそのような旧式なチップを使って、最新鋭のチップを使って構築された米国のLLMと同様の結果を生み出しているというわけです。
ディープシークが使っているのは約2000個のエヌビディアのH800、予算は560万ドル、パラメターの数は6710億パラメターという極めて少ない数字です。
これは莫大な先行投資をしたからといってウォーレン・バフェットの言う「防御の城池」は築けないことを示唆しています。
今週から大手ハイテク企業は2024年第4四半期の決算発表シーズンに入るわけですが、決算カンファレンスコールの質疑応答でアナリストから「なぜ莫大な設備投資を継続する?」という意地悪な質問が出ることが予想されます。