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暗号資産を銀行が預かり、トレードすることの妨げとなってきたSAB121を見直しへ

2025年1月25日 06:25

SAB121は米国証券取引委員会のスタッフが発した暗号資産の会計処理に関する通達です。とりわけ企業が顧客の暗号資産を預かる場合、それをどのようにバランスシートに計上するか? についての解釈の指針です。

このたびトランプ政権下でこのSAB121が見直しされることになりました。
 
SAB121は銀行や証券が顧客の暗号資産を預かる際は、「預かった暗号資産を自社の資産・負債として計上しなさい」という見解が示されていました。言い直せば顧客暗号資産のオンバランス化です。
 
これは銀行の総資産・負債が膨らむばかりでなく、ボラティリティが大きいリスク資産であるためレバレッジ比率、自己資本比率、その他のリスク指標が悪化する効果をもたらしました。つまり「そんな商売は、やめておけ!」ということをSECが銀行にシグナルしてきたわけです。
 
もちろんSAB121が廃止された場合でも銀行はすぐに暗号資産の預かりのビジネスを始められるわけではなく、時価評価の仕方、リスクの計測の仕方など、さまざまな内部システムを構築する必要が生じます。規制コスト、リスク管理コスト、セキュリティコストも増大します。
 
そのような理由から一朝一夕にメガバンクが暗号資産の預かりやトレーディングのビジネスを始めるとは思えませんが、少なくとも長期的な方向としてはエスタブリッシュされたメガバンクもいよいよクリプトの商売に乗り出してくるひとつのキッカケになると思われます。