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オリガルヒとの付き合い方

2025年1月21日 19:00

オリガルヒは日本語では寡頭制(かとうせい)と訳され、富裕層や特定のエリート層が大きな影響力を握る政治を指します。

それを今日の文脈で言い直せば、SNS、AI、低軌道衛星、暗号通貨などニューエコノミーでの経済支配に必要なツールを経済エリートが独占的に掌握したことで、現代風の寡頭制が完成したということです。そこでは権力者に忠誠を誓う者だけが優遇されます。
 
寡頭制は今日に始まったことではありません。実際、これはプラトンやアリストテレスの時代から喧々諤々議論されてきた命題で、古代ギリシャの都市国家、とりわけスパルタで見られた現象です。
 
1989年にベルリンの壁が崩壊、ソビエト連邦が消滅した際、国営企業の民営化の過程で巨万の富みを得たシブネフチのロマン・アブラモヴィッチ、ユコスのミハイル・ホドルコフスキー、アリシェル・ウスマノフなどの実業家が政治・経済の両面で隠然たる影響力を持ちました。それは寡頭制の代表的な例だと思います。
 
寡頭制で支配的地位にある人々は自らの権力や富、特権を維持するために政治・経済システムを操作します。社会全体としては格差が拡大します。公共の利益より支配層の利益が優先されるため民主的なプロセスが軽視されるリスクがあります。
 
寡頭制が経済成長にプラスに働くかどうかは、一概には言えません。たとえばソ連崩壊直後のロシアでは一握りの資本家が権限を集中して持っていた関係で迅速な決断で大規模投資を行いました。
 
その反面、新規参入や競争の排除が起こると長期的にはイノベーションが停滞します。汚職、収賄の横行を招くリスクもあります。そのような場合、むしろGDP成長にはマイナスでしょう。とりわけ所得格差が大きく開き、社会不安の原因になります。
 
つまり短期的には劇的な成長の要因になり得る一方で、長期的、持続的成長を損ねるということです。
 
オリガルヒのやっている会社の株を買うと儲かる? という点に関しては、それらの企業は既にスケールを確立しており国家戦略にも組み込まれているため、短期的な株価上昇の可能性は否定できません。
 
しかしオリガルヒが政権と対立すると、突然、制裁の対象になり、会社自体が凍結された例も見られました。ミハイル・ホドルコフスキーのユコス社の株価はゼロになりました。
 
つまり最高権力者の機嫌を損ねたら、オリガルヒでも安泰ではないということです。