ユーフォリアの後、一進一退相場を覚悟せよ
2024年12月23日 19:11
12月21日(土)の連邦政府機能一部シャットダウンの直前に議会は予算延長臨時法案を可決し、それを回避しました。この進展は金曜日のNY市場では織り込まれていないので今朝(23日)はまずそれを好感し高い寄り付きとなるでしょう。
しかし現在の株式市場のユーフォリアが一段落すれば、来年早々米国株は一進一退相場に入ると予想されます。そしてそれは次の予算バトルが予想される3月まで続くでしょう。なぜなら今回可決された臨時法案は、たった3ヶ月だけ問題を先送りする臨時措置に過ぎないからです。
トランプは(もしシャットダウンが起きるのであれば、それはバイデン政権の間に起きてしまえば良い!)と考えてきました。しかし議会と大統領は臨時法案を可決し署名したので、この「負の遺産」はトランプが引き続ことになったのです。
米国の連邦政府の債務は既に上限に来ています。
米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに転じているのですが長期金利はあまり下がっておらず、その関係で連邦政府の利払いコストは利下げしているにもかかわらず増えたままです。

(出典;セントルイスFRB)
これは何を意味するか? と言えばイーロン・マスクの連邦政府コスト削減の努力は、利払いコストの増加で思ったように進捗しないリスクがあることを意味します。
現在の米国連邦政府の財政赤字はGDPの6%を越えており、トランプ政権で財務長官になるスコット・ベッセントはそれを3%以内に収めると豪語していますが、下のチャートからも分かる通り、トレンド的には赤字幅はだんだん増えており、悲観的にならざるを得ません。

(出典:セントルイスFRB)
トランプ政権下で成立したいわゆる「トランプ減税」、正式にはTax Cuts and Jobs Act (TCJA)法は、リコンシリエーション(Reconciliation)プロセスを利用し成立しました。
リコンシリエーションは予算関連法案を迅速に成立させるための特別立法手続きです。このプロセスを使用すると、法案を通常の立法手続きとは異なり、上院で単純過半数(51票)で可決することが可能となります。
このため、フィリバスター(議事妨害)を回避でき、野党の大規模な反対があっても法案を成立させることができます。
しかしリコンシリエーションは期間限定の時限法案でなくてはならないため、TCJAは2025年で期限切れになります。今回はそれを恒久化したいというわけです。
2025年にトランプ政権が発足すれば、TCJAの恒久化にすぐ取り組み始める必要があります。なぜなら現行法は1年以内に期限切れになるからです。
理想的には、今回はリコンシリエーションを使わず、TCJAを恒久化させることが出来れば良いのですが、前回TCJAが成立した経緯(=共和党だけの支持で成立)を考えれば、今回もリコンシリエーションを用いた、矮小化された延長にとどまるリスクもあります。
つまり政府の予算策定のリアリティーは社会科が不得意なBroトレーダー達が考えているほど単純ではなく、紆余曲折が予想されるということです。