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政府による資産没収に関して

2024年12月8日 02:11

政府による資産没収は存在します。ひとつの例は相続税です。

■アメリカのケース
現在、米国では夫婦が一緒(ジョイント)納税している場合、親が死んだ時、子どもに無税で相続させることができる金額は40.77億円です。
 
それを超える部分については政府が40%の連邦遺産税を取ります。
 
具体的な没収の仕方は、かなりエグいです。
 
遺産は、まず遺産管理者や遺言執行人に強制的に移されます。そこで彼らが財産総額を計算し、40.77億円を超える部分に関してはあらかじめ政府がまずその40%を没収し、遺言のみで財産を分配する場合、裁判所によるプロベート(検認)手続きの後、普通1年後くらいに残額が子どもたちに払われます。だから子どもたちは一度も遺産の総額を目にすることはありません。
 
富を持っている人がまだ存命中に政府が公的債務を返済することを目的としてすべての資産保持者に対し一度だけ課税する税金のことを資本課税といいます。
 
■日本のケース
世界で最も成功した資本課税の例は日本です。
 
第二次世界大戦後、日本は連合国に占領され、連合国最高司令官(SCAP)すなわちマッカーサー元帥の司令により動くことを余儀なくされました。
 
当時の日本は政府債務が1941年の310億円(GDPの84%)から1946年には2,020億円(GDPの130%)に膨張していました。
 
しかし都市の40%が廃墟と化し、税収はGDPの7%しかありませんでした。
 
戦争でこしらえた国家の借金の負担を軽減し、復興のための原資をこしらえ、戦争で儲けたトップ2%の裕福層をこらしめる意味で、SCAPは資本課税を打ち出したのです。個人資産で1500万円を超える個人の財産の90%を政府が没収しました。
 
これを実施するにあたり日本政府はまず1946年2月16日に預金封鎖を行いました。これは資本課税を確実に実施するにはまず個人の資産を正確に把握する必要から行われました。預金者は、凍結された預金の一部のみを生活費として段階的に引き出すことが許され、自由な資金移動が制限されました。

預金封鎖の一環として、旧円から新円への切り替え(通貨改革)が行われました。

資本課税は現金、預貯金、土地、建物などの不動産、株式、債券などの有価証券、宝石や貴金属などの動産、その他の所有財産が対象となりました。

1946年(昭和21年)3月3日を基準日として、所有財産の評価額に基づいて課税が行われました。この基準日以降に財産を隠したり移転した場合も、厳しい罰則が適用されました。

さて、現代においては戦後日本が実施したような資本課税が抜き打ち的に実施されるリスクは極めて低いです。

また、そうする必要も無いでしょう。

なぜなら、国民は源泉徴収に慣れており、自分の税率をチェックする習慣が無いからです。

税金は容易に引き上げられない一方で、社会保険料は比較的頻繁に引き上げられます。

これはひとつには税金を引き上げるには法改正が必要で国会での議論が不可欠だからです。

社会保険料は目的がハッキリしており国民からの理解が得られやすいです。おもに労働者と雇用主が負担するので非課税所得者には影響が少ないです。

さらに社会保険料は法律であらかじめ将来の引き上げがビルトインされており、国会での議論なしに自動的に引き上げが可能な場合があります。

また社会保険料は給与天引きが基本なので、それに注意を払うサラリーマンが少ないことも実施をスムーズにしていると言えます。