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イーロン・マスクがチャットGPTのオープンAIのサム・アルトマンを「盗人サム」と呼んでいることに対する不安

2024年12月2日 18:56

チャットGPTを運営しているオープンAIはもともとイーロン・マスクが始めた会社ですが、その後でパートナー間での意見の食い違いから出資比率がいちばん多かったにも関わらずイーロン・マスクは同社を去りました。

それ以降、イーロンはサム・アルトマンのことを「盗人サム」と呼んでおり、チャットGPTを打ち負かすべく自分のAIプロジェクトXAIに取り組んでいます。
 
この手のドラマはシリコンバレーでは珍しくありません。だから驚くに値しないと思います。アルトマンはずるい人物だということは、他からも聞きます。だから僕はけっしてオープンAIの肩を持つ気はありません。
 
しかしこの手の角逐が当事者企業双方、ひいては一般ユーザーまで不利益をもたらした例はいくつかあります。
 
その最たるものは1980年代のビデオテープ市場でソニーのベータマックスとJVCのVHSが激しく争った例が思い出されます。消費者は「どちらが良い?」と迷い、ベータマックスを買った消費者は結果として損をしたと思います。また両社は重複する投資で市場開拓に十分なリソースを割けませんでした。
 
スマートフォン市場ではアップルとサムスンが10年以上も特許戦争を繰り広げ、多大なリソースを無駄にしたばかりでなく、アプリ開発のコストが増えました。
 
いまAI市場は多数の企業が乱立する状態となっており、上記の例よりもっと深刻なムダが発生する可能性が大です。
 
AIはコモディティの様相を呈しており、間違った相手のプラットフォーム上にサービスを構築するとブランド自体の存亡の危機に直面しかねない状況です。
 
黎明期のインターネットではHTTP、SMTP、TCP/IPなどのオープンなプロトコルに基づき設計されており、協力的な精神が貫かれていました。なけなしの予算で新しいサービスを構築しようとするスタートアップにとってフレンドリーな開発環境だったと言えます。
 
その後、グーグル、フェイスブック、アマゾンらが巨大なエコシステムを構築し、データの囲い込みが生じたのはよく知られています。
 
これと対照的にAIでは初期段階からクローズドな独自AIモデルが開発され、そのプラットフォームの上にサービスを構築しようとするスタートアップ企業は間違ったプラットフォームを選んでしまうと後々たいへんなことになるリスクを抱えています。
 
オープンAIはAIのプラットフォーム競争ではリーダー企業ですが、それがイーロンの私怨からトランプ政権という権力の座を利用して叩かれる…という展開にでもなれば、イノベーションの火はたちどころに吹き消されてしまうと思います。