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はじめての暗号資産

2024年11月22日 18:12

まず基本的なことですが、デジタルの世界ではカンタンに複製ができてしまいます。一例としてあなたがネットでシェアしたセルフィーは他の人が「コピーを保存」することで全く同一のものが幾つも世界に出回ってしまいます。

「世界にこれだけしかない」という唯一性、「この暗号資産の持ち主は、このひと!」という所有権……これらをどう確保する? というのがデジタルの世界に存在し、希少価値を維持し続ける資産をデザインするために絶対に解決しなければいけない命題なのです。
 
一般的には暗号資産(=仮想通貨と呼ばれることもあります)やNFT(非代替性トークン)は唯一性と所有権の問題を解決するにあたりブロックチェーン技術を用います。
 
ブロックチェーン技術では取引履歴が全員に公開されます。また記録されたデータは改ざんできません。さらにたくさんのコンピュータに分散して運用されているので「中心」がありません。
 
各ユーザーは公開鍵と秘密鍵のペアを持っており、ひとりの所有者が別の人に暗号資産を送る歳は送信者が秘密鍵で署名をおこないます。その署名を第三者が検証することで(=これをマイニングといいます)送信者が正当な保有者であることを確認します。
 
このようにして暗号資産の所有権がAさんからBさんに移ったら、その取引記録はブロックチェーン上に記録され、全員に周知徹底されます。このようにして所有権の移動を記録にとどめれば、参加者のひとりやふたりが過去データを操作しようとしてもムリです。こうして所有権が保証されるわけです。
 
NFTはブロックチェーン上で一意のトークンとして記録され、特定のデジタル資産、具体的には画像、音楽、動画と紐づけられます。各NFTには固有の識別子があり、これが複製不可能な唯一性を生み出します。
 
そのトークンを誰が所有しているかもブロックチェーン上に記載されているため「この人が持っている」ということを全員が確認できます。
 
それから暗号資産では同じコインを2回以上使おうとするダブル・スペンディングの問題が重要です。これを防ぐために過去取引はブロックに追加され、それがチェーンに連結されると、その取引は確定され、二重支払いが不可能になります。
 
しかし発行量に制限が無い暗号資産では、供給過剰により暗号資産の価値が下がるリスクがあります。だから投資家はその暗号資産の希少価値、言い換えれば「発行スケジュール(Issuing Schedule)」や「供給制限(Supply Cap)」にとりわけ気を配る必要があります。
 
ビットコインの場合発行量の上限は2100万枚と決められています。発行速度は約4年ごとに半減(=これを半減期と言います)し、最終的に2100万枚を超えないように設計されています。

一方で、イーサリアム(Ethereum)にはビットコインのような明確な供給上限はありません。ただし、年間発行量の制限や、ネットワークアップグレード(例:EIP-1559によるバーンメカニズム)によって供給の調整が行われています。
 
一部のプロジェクトでは、供給制限が明示されていない場合があります。その場合、運営者(スポンサー)が無制限に発行できるリスクがあり、投資家が注意すべきです。またDAO(分散型自律組織)などの仕組みを使う場合、コミュニティの合意によって発行量が変更されることがあります。ただし、これには参加者の合意が必要です。
 
一般論としてスポンサー(中心人物、発行者)が居る暗号資産はその人による悪用の恐れがあります。
 
世の中にはこの手のうさんくさいプロジェクトがたくさん存在します。そういうのは避けたほうが良いと思います。
 
ラグジュアリー・ハンドバッグを例にとって説明しましょう。
 
ファッションの世界では一番高いハンドバッグはエルメスであり、二番目に高いハンドバッグはシャネルであり、三番目はルイヴィトンだ……というのが常識となっています。もちろんそれよりずっと格下のコーチとかマイケルコースのようなハンドバッグメーカーは沢山存在しますが、いまは世界トップクラスのブランドだけに限定して話をしているわけです。
 
このように供給が限られている物において、値段がたかくなるほど、人々がそれを買いたがる……そういう現象を経済学では**「ヴェブレン効果」と言います。これはアメリカの経済学者ソースティン・ヴェブレンから来ています。かれは『有閑階級の理論』という著書の中で裕福層が社会的地位を示すため高価な商品を購入する誇示的消費の概念を提唱したのです。
 
ロレックスの腕時計、レースカーのフェラーリ、エルメスのハンドバッグ……それらが
人々から求められ続ける理由は供給を意図的に絞り込んでいるからです。
 
トランプ政権下でこれから暗号資産が合法化されれば、たくさんの新しい暗号資産が発行されるようになります。そのとき我々が覚えておくべき概念はこの「ヴェブレン効果」です。言い換えれば
新しいものに価値があるのではなく、値段が高いもの、手に届きにくいもの、プレステージがあるものが、皆さんが投資すべき暗号資産**だということです。