SPACブームを振り返る
2024年11月18日 18:28
SPACはSpecial Purpose Acquisition Companyの略で日本語では特別買収目的会社と訳されます。
SPACは、既存の未公開企業を買収するために設立される「空箱」です。まず株式公開(IPO)し、投資家の資金を託してもらったあとで企業を探し、その企業と合併することで、未公開企業を裏口上場させる仕組みです。お手軽な上場を果たす裏ワザと言えます。
2020年〜2021年にかけてSPACがブームになりました。折からの新型コロナによる不況で低金利になったこと、新興企業が迅速に上場する手段を求めたことなどがそれを促進しました。
2020年には248件のSPAC IPOが実施され830億ドルを調達しました。2021年には613件のSPAC IPOが実施され1600億ドルが調達されました。
しかし電動トラックや水素燃料電池のベンチャーであるニコラや電動ピックアップトラックのローズタウン・モーターズ、電動車両のカヌーなどが失敗し、その他無数のSPACもゾンビのような存在になっており、株価も低迷しています。
最近、日本ではWeb3.0というふれこみで新手の資金調達がブームになる様相を呈しています。米国でも来年発足するトランプ政権が暗号資産に積極的な姿勢を打ち出していることから新たな資金調達ブームが来るかもしれません。その場合、まず多くの投資家を巻き込み、熱狂につつまれることが予想されます。
しかし上のSPACの例に見る通り、お手軽な資金調達=成功を意味しません。本来、投資家のお金を託されるに足る技術や経営手腕の無いものにお金を渡しても「お金があるから成功する」とは限らないのです。