カプリ・ホールディングス
2024年11月15日 20:08
カプリ・ホールディングスはマイケルコース、ヴェルサーチェ、ジミーチュウの3つのブランドを持つ企業です。
同社はタペストリーと合併するはずだったのですが寡占の見地からFTCがこの合併を阻止、株価が急落しました。11月14日に今後の方針に関するカンファレンスコールが開催されました。
マイケル・コース (Michael Kors) は、米国のファッションデザイナーで、モダンで洗練されたデザインと、ラグジュアリーでありながらも実用的なアイテムを提供することで広く評価されています。幼少期からファッションに興味を持ち、高校卒業後にニューヨークのファッション工科大学(FIT)で学びました。彼は早い段階からファッション業界で頭角を現し、1981年に自身のブランドを立ち上げました。マイケル・コースのアイテムは、クラシックで飽きのこないデザインが特徴です。シンプルなラインと上質な素材を用いた洗練されたスタイルが、世界中の顧客に愛されています。特にバッグや時計、財布などのアクセサリーは、マイケル・コースブランドの代表的な商品であり、幅広い価格帯で展開されています。
**ジャンニ・ヴェルサーチェ(Gianni Versace)**は、イタリアのファッションデザイナーで、1978年に自身の名を冠したブランドを設立しました。彼のデザインは、鮮やかな色彩、大胆なプリント、セクシーなカッティングで知られ、ファッション界に革新をもたらしました。彼は1946年12月2日、イタリアのレッジョ・カラブリアで生まれました。母親がドレスメーカーであったため、幼少期からファッションに親しみ、建築を学んだ後、26歳でミラノに移りファッション業界でのキャリアを開始しました。 1978年、ミラノに最初のブティックをオープンし、同年に最初のウィメンズコレクションを発表しました。彼のデザインは、従来の控えめな色彩とシンプルな形状から脱却し、華やかで豪華なスタイルで注目を集めました。 1982年には、軽量のチェーンメイル素材「オロトン」を用いたドレスを発表し、ブランドの象徴的な素材となりました。また、スーパーモデルの起用や音楽業界との積極的なコラボレーションを通じて、ファッションとエンターテインメントの融合を推進しました。 1997年7月15日、マイアミ・ビーチの自宅前で連続殺人犯アンドリュー・クナナンにより射殺され、50歳で逝去しました。彼の死後、妹のドナテラ・ヴェルサーチェがブランドのクリエイティブ・ディレクターを引き継ぎ、現在もブランドを牽引しています。 ヴェルサーチェは、古代ギリシャ・ローマのモチーフやメデューサのロゴを取り入れたデザインで知られ、豪華で芸術的なスタイルが特徴です。また、ジュエリー、家具、香水など多岐にわたる製品ラインを展開し、ライフスタイルブランドとしての地位を確立しています。
**ジミーチュウ(Jimmy Choo)**は、1996年に設立されたイギリス発のラグジュアリー・アクセサリーブランドです。主にシューズ、バッグ、アクセサリーを展開し、官能的なデザインと卓越したクラフツマンシップで知られています。マレーシア出身の靴職人ジミー・チュウ氏と、イギリス版『ヴォーグ』誌の編集者タマラ・メロン氏が共同で1996年にブランドを設立しました。 ジミー・チュウ氏の姪であるサンドラ・チョイ氏が、設立当初からクリエイティブ・ディレクターを務め、現在もその役割を担っています。 レディースシューズを中心に、ハンドバッグ、革小物、スカーフ、サングラス、ベルト、フレグランス、メンズシューズなど、多彩な製品を展開しています。 ダイアナ元皇太子妃をはじめ、多くのセレブリティがジミー チュウの製品を愛用しており、レッドカーペットでも頻繁に着用されています。 ロンドンのモットコム通りに最初の店舗をオープンし、その後ニューヨーク、ビバリーヒルズ、パリ、ローマ、東京など、世界各地に店舗を拡大しました。

現在は3つのブランドがすべて業績低迷しています。しかしその原因は、たとえばLVMHが中国経済の減速で苦境に立たされているのとはちょっと違います。
マイケルコースとヴェルサーチェは急激に値上げしすぎたのが不振の原因です。
ラグジャリーブランドの世界は厳密なプライス・セグメンテーションがあり、カプリ・ホールディングスはグループ企業における平均販売価格を引き上げることを目論み、ヴェルサーチェとジミーチュウを買収しました。
それを機にマイケルコースも廉価なアイテムを絞り込み、卸売市場でも商品の提供を厳選しました。卸売チャンネルも20%削減しました。卸売での売上減の原因の半分はここにあります。今後卸売をもっと大切にする考えですが取引業者数は増やさない考えです。
その結果、マイケルコースのブランド・イメージはUPしたのですが、同ブランドのコア顧客であるアスピレーショナルな消費者が価格上昇について行けなくなりました。
また同社が普段ターゲットにしている顧客層より少し若い顧客を取り込もうとしたのが失敗しました。
ブランド・エステティックは良いので、また幅広い購買層にアピールする商品を増やすことで売上成長を出すことは可能です。これは新しいアクセサリーなどを揃えないといけないのでしばらく時間がかかります。
ジェットセットというブランド・イメージをもう一度明確に打ち出すため、新しいCMを準備しています、
ヴェルサーチェの場合、ブランドのプレステージを高めることを狙い、基本的にはそれに成功したのですが、新しい、より高い価格帯の商品の品揃えが追いつかず、消費者は好意的に反応しているにもかかわらず商機をフルに活かせませんでした。これは今後品揃えが増えることで自然に解決します。一方、ヴェルサーチェのアスピレーショナルな購買層はごっそり去ってゆきました。
カプリ・ホールディングスのバランスシートは健全です。フリー・キャッシュ・フローを生んでいるので債務は今後も圧縮できる見込みです。
営業戦略的には北米市場にフォーカスしています。ここは世界のラグジュアリーブランド市場の中で最も健全なマーケットなのでそこに強いカプリ・ホールディングスは他社より有利な位置につけているといえます。
一方、英国、ドイツ、中国は低迷しています。日本は中国からのインバウンドで持っているので、今後中国が一層冷え込むとリスクになります。
マーチャンダイジングとしてはブランドをハッキリと表示したほうが良く売れます。とりわけヴェルサーチェはその傾向が強いです。