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FOMCで0.50%の利下げ フォーカスは中立的政策金利の達成へ

2024年9月19日 05:44

9月18日(水)連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げが発表され米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは4.75〜5.00%になりました。事前に「0.25%、0.50%のどちらの可能性もある」ということがシグナルされていたのでこれはサプライズではありませんが、不況でもないのに通常よりアグレッシブな0.50%の利下げで利下げサイクルを開始することはやや異例だと言えます。

パウエル議長はその理由として前回のFOMC以降2回の雇用統計と2回の消費者物価指数の発表があり、そのどちらも良い感じでFRBの目標に向けて前進しているという感触が得られたため、FRBメンバーのコンセンサスももうすこしアグレッシブに動きたいという願望に変わってきたことが指摘されました。
 
いま米国経済はちょうどよい位置につけており、この理想の状態をキープするためにいま物価と政策金利との間の乖離が大きくなってしまっているのを是正することに目下はフォーカスし、それを大胆に是正する意味で少し大きめの利下げをしたという説明がなされました。
 
したがってこれはFRBが何か景気の先行きに不穏なものを感じているとか、後手に回っているとかということでは無いとパウエル議長は述べました。
 
中立的な政策金利は、リーマン・ショック後や新型コロナ後にずっとゼロ金利が続いた頃よりはかなり高い位置になるだろうとパウエル議長は語りました。経済予想サマリーの長期でのフェデラルファンズ・レートは2.9%というのがFRBメンバーの予想となっていることから、大体このへんが最終的な目標と見て良いと思います。
 
今回の利下げ幅が大きかったことについては、他の中央銀行が相次いで一足先に利下げに踏み切る中、FRBは待ったので、その分、大きな利下げが可能になったという説明でした。今後利下げが加速するということではなく、今回は機を見て臨機応変に一気に物価と政策金利の大きすぎる乖離をワンチャンスで詰めに行ったという見方のほうが正しいと思います。
 
ちなみに経済予想サマリーでは2024年末のフェデラルファンズ・レートとして4.4%が示されているので、これに従えば年内の利下げはあと1回という計算になります。
 
記者団の質問で「普通失業率が4.4%になったらそこにとどまり続けることは稀で、もっと悪くなる」という指摘がありましたが、パウエル議長は**「小売売上高を見ても、GDPを見ても、新規失業保険申請件数を見ても、レイオフの発表を見ても経済に異変は無い。人口動態の変化を加味すればいまの労働力率はとても良い数字だし賃上げも平時より高い。これは労働市場がしっかりしていることを示唆している」**として労働市場悪化のシナリオをしりぞけました。