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レバレッジについて

2024年7月6日 20:00

財務レバレッジとは、企業が借入れによる資金調達を行い、それを事業に投資することで期待収益を高めようとする経営手段のことを指します。

具体的には、次のような効果が期待されます。

  1. 資金調達力の向上
    自己資本のみでは賄えない大規模な投資を、借入れによって実現できます。
  2. 資本コストの低減
    借入金の金利は、一般に自己資本コストよりも低いため、適度な借入比率を保つことで資本コストを抑えられます。
  3. 財務レバレッジ効果
    借入金を活用して自己資本に投下された金額以上の収益が得られれば、自己資本利益率が高まります。
     
    一方で、過度の借入れは債務超過リスクを高めるため、財務の健全性を損なう可能性があります。そのため、企業は自社の特性に合わせて、適切な水準の財務レバレッジを維持する必要があります。
     
    営業レバレッジは財務レバレッジとは別の概念です。
     
    営業レバレッジとは、売上高の変動が営業利益にどの程度増幅して影響するかを示す指標です。固定費の比率が高いほど、営業レバレッジは高くなります。
     
    具体的には、以下のような特徴があります。
  • 固定費が高いほど営業レバレッジは高くなる
  • 売上増加時には営業利益が大きく増加する
  • 売上減少時には営業利益が大きく減少する
     
    つまり、固定費の比率が高い企業ほど、売上の増減が営業利益に大きな影響を与えることになります。
     
    一方の財務レバレッジは、借入金の活用による自己資本利益率の変動を表すものです。
     
    このように、営業レバレッジと財務レバレッジはそれぞれ異なる概念ですが、ともに企業のリスクと収益性に影響を与える重要な指標となっています。企業経営においては、適切なレバレッジコントロールが求められます。
     
    固定費と損益分岐点は密接な関係があります。
     
    損益分岐点とは、総売上高と総費用(固定費+変動費)がちょうど同額になる売上水準のことです。この売上水準を超えれば黒字になり、下回れば赤字になります。
     
    損益分岐点の算出式は以下のとおりです。
     
    損益分岐点売上高 = 固定費 / (1 - 変動費比率)
     
    この式から分かるように、固定費が高ければ高いほど、損益分岐点は高くなります。つまり、黒字化するための売上水準が高くなるのです。
     
    逆に固定費が低ければ、損益分岐点売上高は低くなり、比較的低い売上高で黒字化できます。
     
    したがって、固定費をコントロールすることは、損益分岐点売上高を引き下げ、安定的な黒字経営を実現する上で重要になってきます。
     
    一方、変動費比率が高ければ、損益分岐点売上高は高くなります。変動費をいかに抑制するかも経営課題の一つとなります。
     
    こうした観点から、固定費と変動費のコントロールが、企業経営における損益分岐点管理の要諦になるのです。
     
    貸し手が企業に融資する際、財務レバレッジと営業レバレッジの両面から、以下の点に注意を払う必要があります。
     
    【財務レバレッジに関する注意点】
  1. 過度の借入れによる債務超過リスク
    過剰な財務レバレッジは債務超過リスクを高め、返済不能に陥る可能性がある。
  2. 金利変動リスク
    変動金利の借入金が多い場合、金利上昇時に支払利息が増える。
  3. 資金繰りリスク
    返済時期が集中すると、一時的に資金が圧迫される可能性がある。
     
    【営業レバレッジに関する注意点】
  4. 売上変動リスク
    固定費が高い企業ほど、売上の小さな変動でも営業利益に大きな影響がある。
  5. コスト構造の硬直性
    固定費の比率が高いため、コスト構造の変更が困難になる可能性がある。
  6. 設備の過剰投資リスク
    固定費を抑えるため過剰な設備投資を控えめにする必要がある。
     
    総じて、高い財務レバレッジと営業レバレッジは、リスクが高まる一方で収益性も高くなる傾向にあります。貸し手は、借り手企業の事業特性とこれらのリスクを総合的に勘案し、適切な与信判断を行う必要があります。