Hype cycleとAI投資
2024年6月2日 01:56
テクノロジーのhype cycleとは、新しい技術が登場してから一般に普及するまでの過程を示す概念モデルです。
Gartner社が提唱したこのモデルは、新技術に対する期待値の変化を5つの段階で表しています。
- 技術トリガー(Technology Trigger)
新しい技術が登場し、一部の初期採用者から注目される。 - 過剰な期待のピーク(Peak of Inflated Expectations)
新技術への期待が最高潮に達し、時に過剰な宣伝も行われる。 - 薄暗い落胆の底(Trough of Disillusionment)
実際の利用で問題点が見つかり、期待が裏切られて失望が広がる。 - 啓発の傾斜(Slope of Enlightenment)
技術の長所と短所が明らかになり、利用方法が理解される。 - 生産性の頂点(Plateau of Productivity)
技術が広く受け入れられ、十分に活用される段階に達する。
このサイクルを理解することで、新技術への過度の期待や失望を避け、より現実的な視点で評価し、適切なタイミングで導入することができます。
AIの発展段階は分野によって異なりますが、一般的にはまだ"過剰な期待のピーク"あるいは"薄暗い落胆の底"にある分野が多いと考えられます。
例えば、以下のような状況です。
- 機械学習、深層学習などの基礎技術は"生産性の頂点"に近づいていますが、まだ完全に成熟したわけではありません。
- 音声認識や機械翻訳などの応用分野は"啓発の傾斜"を登っている段階です。
- 自動運転やロボティクスなどは"薄暗い落胆の底"にあり、当初の過剰な期待から現実的な認識に落ち着いてきました。
- 一方で、AI創作やAI倫理の問題など、新しい課題は"過剰な期待のピーク"にあるかもしれません。
AIは汎用的な技術なので、様々な分野で発展段階が異なり、全体として見れば"過剰な期待"と"落胆"の谷間を渡っている最中と言えるでしょう。今後は着実な"啓発"と"生産性"の段階に向かうことが期待されています。
株式への投資で儲かるのは、一般的にhype cycleの以下の2つの局面が有利といわれています。
- 過剰な期待のピーク(Peak of Inflated Expectations)
新しい技術への期待が最高潮に達するこの局面では、関連企業の株価が過熱し、投機的な資金が流入します。この時期に投資すれば、株価の上昇から短期的には大きな利益を得られる可能性があります。ただし、バブルが弾けるリクスがあります。 - 生産性の頂点(Plateau of Productivity)
技術が広く受け入れられ、本格的に実用化される局面では、関連企業の業績が安定的に伸びるため、長期的な株価上昇が期待できます。投資のタイミングとしては比較的安全ですが、一方で株価自体が割高になっている可能性もあります。
一方、「薄暗い落胆の底」のように技術への期待が裏切られた局面では、関連株は大きく下落するリスクがあり、投資に適していません。
投資のタイミングとしては、過熱気味の上げ局面か、実用化で成長が見込める局面が狙い目ですが、いずれも慎重な分析が必要不可欠です。hype cycleを考慮しつつ、企業の実力や成長性を見極める必要があります。