中国がTikTokの持ち株を処分しない限り米国からTikTokを追放するという法案が下院を通過 上院はこれを可決し大統領は署名するのか?
2024年3月16日 16:37
先週下院が「中国がTikTokの持ち株を処分しない限り米国からTikTokを追放する」という法案を投票に付し、賛成352、反対65で通過させました。
次のステップは上院が同法案を投票に付すことです。
上院と下院では温度差があり、過去に上院では同様のTikTok規制法案が頓挫しています。
下馬評では今回は上院もこれを可決するだろうと言われています。その場合、同法案は大統領に回されます。
バイデン大統領は「署名する」とシグナルしています。
その場合、アップルやグーグルはアプリストアからTikTokをリムーブしなければいけなくなります。
既にインストールされているTikTokは生き続けるけれどアップデートは出来なくなります。いずれ動作が鈍くなり自然にユーザーが離反してゆくというわけです。
中国政府は他国からこのように干渉されるのが大嫌いなので同法案が成立すれば頑なに手放すことを拒絶すると予想されます。
その場合は裁判で争うことになり決着がつくまでは何年もかかると予想されます。
TikTokに対して風当たりが強くなっている最大の理由は「ことしは選挙の年だから」ということに尽きます。
中国はTikTokを通じてアメリカ国民をスパイしており、またそれを通じて世論を操作することもできるというのが議員たちの考えです。国家安全保障上のリスクの観点からTikTokを禁止するというわけです。
しかしTikTok禁止に議会が動いているもうひとつの理由は「若者の心身の健全な成長に害を与えている」という認識があるからです。
SNSは若者を中毒にし、自己肯定感を下げ、疎外、孤独感に苛まれる結果を生んでいるというわけです。実際、中国はTikTokの利用時間の制限を設けています。
自国の青少年には制限を加える一方、アメリカでは自由に稼がせるという中国政府のやり方はずるいというのが米国の政界の意見なのです。
青少年の心身の健全な育成に関してはTikTokを禁止してもユーザーはインスタグラムなどに流れるだけで根本的な問題の解決にはならないです。
なお若者は投票所に赴かないのでTikTok禁止がどれだけ若者から不人気でも代議士はそれを気にしないと思います。むしろTikTokを快く思っていない親たちの歓心を買うことを狙っているフシがあります。
これはある意味、エルビス・プレスリーがライブのとき腰をクネクネ卑猥に動かしたことに対し「公序良俗に反する!」としてこれを禁止しようとしたエピソードを彷彿とさせます。