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天然ガス価格が急上昇

2021年9月28日 01:36

米国の天然ガス価格が上昇しています。9月27日ナイメックス10月物天然ガス価格は一時+32.4¢の$5.464を付けました。

欧州市場におけるエネルギー価格の高騰や限月交代がその背景にあるのですが、現在の天然ガス価格の高騰は需要な天候の見通しの変化とは無関係に、突発的な材料が少ない中で起きている点が市場関係者の注意を惹いています。

むしろ天然ガス価格の上昇は市場の構造的な変化によるところが大きいと思われます。

具体的には米国では過去5年以上、天然ガスがだぶついていたのですが、天然ガスを先ず液化し、LNGとしてタンカーに積載して中国、日本、韓国、欧州などの需要家へ届ける天然ガスの輸出のビジネスがフル稼働し始めている点を見逃すわけにはゆきません。

米国内の需要が一定でも、天然ガスが輸出市場に振り向けられたため、米国での需給は引き締まったというわけです。

中国は地球温暖化ガスを抑制するため、石炭による発電を天然ガスに置換しています。このため2020年は新型コロナで世界的にエネルギーの消費が大きく落ち込んだにもかかわらず中国での天然ガスの消費は成長しました。

今年の冬、寒さが厳しければ、米国の天然ガス価格はさらに上昇するリスクもあります。

天然ガスはシェール革命で最初に恩恵を受けたコモディティであり、急激な増産が価格崩壊を引き起こし、多くのシェール業者を倒産に追い込みました。その関係でプレーヤーの数は減っています。EQT(ティッカーシンボル:EQT)、エクソンモービル(ティッカーシンボル:XOM)、サウスウエスタン・エナジー(ティッカーシンボル:SWN)、アンテロ・リソーセズ(ティッカーシンボル:AR)、キャボット・オイル&ガス(ティッカーシンボル:COG)が5大生産者です。

このうちアンテロ・リソーセズは将来の生産分を先物でヘッジしてある比率が一番低く、このところの天然ガス価格の上昇で最も恩恵を受ける企業となっています。