レバレッジを使う事はなぜ怖いか? 金融機関ではなく、まず本人が最初の損をまる被りする構図を知れ!
2021年9月7日 21:26
レバレッジを使うことの恐ろしさは自分のアテが外れた時、真っ先にあなたに集中的に損が降りかかってくるところにあります。これを経済学者はconcentrated lossesといいます。
いまマイホームの購入の例で考えてみましょう。
アメリカでは普通、買おうとしているマイホームの値段の25%前後を頭金として購入者本人が工面することが要求されます。
銀行が残りの75%を住宅ローンとしてあなたに貸付けるわけです。その際の担保は、あなたのマイホームです。
もしあなたが住宅ローンの支払いを一定期間以上滞納したら、あなたのマイホームは差し押さえられます。
さて、不況が来て街に失業者が溢れ住宅価格も値下がりする局面を考えて下さい。
仮にあなたの家の価値が-25%下落したとします。でもあなたが失業し、ローンを払えなくなったので仕方なくマイホームを手放すとしましょう。
あなたの家の売値は買った時より-25%なので、銀行に耳を揃えて借りたお金(つまり75%)を返してしまえば手元には何も残りません。
つまりあなたが一生懸命倹約して貯めた貯金……それをローンの頭金として銀行に渡してしまったわけですけれど……それが全部消えてなくなったということです。
これまでの人生を棒に振ったのと同じです。
もし住宅価格が-25%ではなく-30%下がったら、どうでしょう?
その場合、あなたはマイホームを売却し、その売却代金を全部銀行に差し出しても、まだ債務、つまりお金を返す義務を負っているのです。それは-5%分です。
不況で、自分も職を失い、家も失った……そういう厳しい状況のときに限って、この新しい返済の義務があなたに降りかかってくるわけです。
さて、いま説明した例では自分の元手(もとで)の4倍まで借りたので「レバ4倍」という計算になります。
レバは、高くなれば高くなるほど、投資対象の価値がちょっと値下がりすると一瞬のうちにあなた「だけ」が債務者に転落します。
先ほどのマイホームの例で頭金10%という風に設定しなおせば、「レバ10倍」になります。
レバ10倍なら、家の値段が-10%下がっただけで、あなたが努力して貯めた頭金は全部吹き飛びます。そして-15%、-20%、-25%と言う風に価値が下がるにつれて、雪だるま式にあなたの借金が膨張するのです。
こうなれば……あなたはもう樹海に行くしかありません。
このように「頭金が少ない」ということはリスク以外のなにものでもないのです!
同様に「レバの倍率が大きい」ということもリスク以外のなにものでもありません。
これはマイホームだけでなくFXやCFDやレバレッジETFでもまったく仕組みは同じです。
Concentrated losses(金融機関は涼しい顔しているけれど…あなただけに損が圧し掛かってくること)こそが人生詰む最も典型的パターンであり、みなさんが注意を払うべきリスクです。
火遊びも、ほどほどに。