Skip to content

クリスピー・クリームが近く新規株式公開

2021年6月23日 04:45

クリスピー・クリーム(ティッカーシンボル:DNUT)が新規株式公開のロードショーをキックオフしました。

同社はかつて公開会社でしたが明確な成長戦略を欠いており、ドイツのプライベート・エクイティー・ファーム、JABによって非公開化されました。過去5年かけてグローバルなブランドへとポジショニングし、今回、株式を再度公開する運びとなりました。

クリスピー・クリームというブランド自体には83年の歴史があります。甘いケーキやお菓子、すなわちインダルジェンスのカテゴリーは3200億ドル市場で、年率+5%で成長しています。つまり同社がマーケットシェアを伸ばす余地は大きです。

2020年中、クリスピー・クリームは13億個のドーナツを売りました。JABによって非公開化された後、同社は根本的にビジネスモデルを改めました。具体的にはフランチャイズモデルを止め、自社の店舗、工場を通じてフレッシュなドーナツを作り、それを自社店舗、簡易店舗、デリバリーなど多岐にわたる方法で販売してゆきます。そこでは370ヶ所のホット・ライト・シアター・ショップと呼ばれる、ドーナツの生産ラインを来店客がガラス越しに見学できる楽しいショップ、ならびに41か所の自社工場で生産されたフレッシュなドーナツを一刻も早く、その日のうちに小型店舗、スーパー、デリバリーで顧客に届けます。そのようなアクセスポイントは全世界で8000ヶ所あります。このようなシステムを同社ではハブ&スポークと呼んでいます。

この経営改革が功を奏して非公開化以来、売上高とEBTDAはそれぞれ2倍になりました。いまでは世界30か国で営業を展開しています。それでも未だ世界の5%の人々しかクリスピー・クリームにアクセスできていません。今後の成長余地は大きいです。

クリスピー・クリームは大学町のクッキー・ストア、インソムニア・クッキーを2018年に買収しました。インソムニア・クッキーはホカホカの焼き上がったばかりのクッキーをパーティーなどに届けるビジネスです。クリスピー・クリームのビジネスと共通点が多いです。

ハブ&スポーク・モデルは一つの旗艦店、ないしは自社工場がたくさんの小型店舗にフレッシュなドーナツを毎日届けることが出来るため、小型店舗の初期投資額が少額で済み、結果として資本効率が良いです。

かつてのクリスピー・クリームは無造作にフランチャイジーを追加し、それらの店舗は品質やサービスが安定せず消費者から不評でした。さらにおもにドーナツのシェルフライフを5日間に延長し、どんどん値引きすることで売上高を伸ばしていました。これはブランドのイメージを毀損するやり方です。

そこでJABに買収されて以降はフランチャイジーの店舗の買い取りを進め、ひとつひとつの店舗を根本からテコ入れし直し、しゃきっとした店構え、フレッシュなドーナツを取り戻しました。

現在、クリスピー・クリームは、誕生パーティーなどのイベントの際に沢山のドーナツをまとめ買いしてもらう商機に注力しています。

同社は新型コロナワクチン接種キャンペーンに貢献しました。そこではワクチン接種カードを見せれば今年1年無料でドーナツを食べることができます。このような活動を通じてコミュニティーに貢献し、企業イメージをUPするわけです。

クリスピー・クリームの過去3年間の売上高成長率は年率+18.7%でした。2020年の売上高は11.2億ドルでした。純利益は-6094万ドルでした。

今回売出し株数は2667万株、価格レンジは21から24ドル、幹事はJPモルガン、モルガンスタンレー、BofA、シティグループです。