Skip to content

連邦準備制度理事会が去年新型コロナで経済が混乱した際発表したSMCCFプログラムで購入した社債やETFを売却すると発表

2021年6月3日 21:32

ウォールストリート・ジャーナルの報じるところによると去年、新型コロナによる外出禁止令が引き金となり経済が混乱した際、クレジットクランチ(信用の緊縮)を防ぐ意味で繰り出された数々の臨時措置のうちのひとつ、SMCCF(セカンダリー・マーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティ)を通じて購入した社債やETF(上場型投信)を市場に売り返すことで、プログラムを手仕舞います。

今回売却の対象になるのはワールプール、ウォルマート、ビザなどの社債52.1億ドル、加えて社債に投資するバンガード短期社債ETFなど85.6億ドル相当のETFです。

去年の3月23日に発表されたSMCCFは:

① 新発債を購入するPMCCF(プライマリー・マーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティ)
② 資産担保証券(ABS)を購入するTALF(ターム・アセットバックト・セキュリティーズ・ローン・ファシリティ)

などと同時に発表された措置で、米国企業で、最低でもBBB−/Baa3の格付けのものを対象としていました。最初から2020年9月30日で終了するという期限が設けられてあったのでこれらのプログラムはもうアクティブではありません。今回の売却は買い持ちになっていた在庫の処分です。

SMCCFは米国財務省証券や住宅抵当証券を買い入れる債券買い入れプログラムとは別です。

SMCCF、PMCCF、TALFは、いわば心臓発作を起こしていた資本市場を正常な状態に戻すために緊急で発動されたもので、直ぐに効果を発揮しました。4月頃までには発行市場は正常に戻ったので所期の目的は全て達成されたと言えます。

なお今回のSMCCF在庫の処分に関しては事前にFRBからは殆どシグナルは発せられておらず、ウォールストリート・ジャーナルがスクープを与えられた格好になります。ウォールストリート・ジャーナルの現在のFEDウォッチャーはポール・キーナンです。

見方によってはFRBはポール・キーナンにFEDウォッチャーとしての実績を確立するためのチャンスを与えているとも取れます。

SMCCFで買い入れた債券・ETFの金額は大きな金額ではありません。したがって市場へのインパクトは限定的だと思われます。むしろ重要なことは「よそ見せず、しっかりFRBのメッセージを聞き届けよ!」というメッセージをFRBが発しているということです。

これからテーパーリングを軟着陸させるためにFRBは、市場をぐいぐいリードしないといけません。「誰がボスか?」を市場に知らしめる必要があるわけです。昨日のこの発表はその第一弾だと受け止めることが出来ます。