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投資で成功する道② PERという尺度のむずかしさ

2021年3月15日 06:31

投資は(最小限の努力で最大限のリターンを!)などと甘い発想をする人には向きません。そういう人は、しのごの言わず**バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(ティッカーシンボル:VTI)**を買っておけばOKです。

もし「それじゃ味気なさすぎる!」というのであれば**バンガード米国高配当株式ETF(ティッカーシンボル:VYM)**にも分散することで分散投資の気分を味わうことが出来るでしょう。

もし「どうしても個別株に投資したい!」というのであればアルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)、フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)、アップル(ティッカーシンボル:AAPL)、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)、マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)の中から数銘柄分散し、同時に買い建てることをお勧めします。

ここまでが、初心者が手軽に始める事の出来る株式投資であり、それ以上のことを試みた途端、あなたの投資はリスキーな世界へ入ってゆきます。

その場合、ある程度自分がやろうとしていることがどのくらい危険なことかを知る方法として、まずバリュエーションの測り方を体得すべきでしょう。

もっともポピュラーな尺度は**株価収益率(PER)**です。

なおPERは万能ではありません! 「知らないよりは……知っておいた方がマシ」程度の気休めだと思ってください。

PERは株価÷一株当たり利益(EPS)で求める事が出来ます。

EPSは去年の実績や今年の予想などいろいろな数字が出回っているのでどれを使用するか迷います。その場合**「向こう12ヵ月」のEPSを用いるのが良い**と思います。もしそれが簡単に手に入らない場合、いまこれを書いているのは3月15日なのでまだ今年が始まってから3ヵ月しか経ってないので、次善の策として2021年末で〆た1年間のEPSを利用すると良いでしょう。

**現在、S&P500指数の向こう12ヵ月のEPSに基づいたPERは21倍です。**するとあなたが買おうとしている銘柄がこれより高いPERをしているのなら「高PER株」に手を出しているのだという自覚を持つべきですし、それより低いなら「低PER株」だという理解で良いと思います。

なお新規株式公開(IPO)されて間もない若い会社の場合、まだ赤字である場合も多く、そのケースではEPSがマイナスなのでPERという尺度は使えません。

そのような若い会社でEPSがプラスの場合でもPERを計算するとべらぼうに高い場合が多いです。それは投資家が若い企業の爆発的な成長ポテンシャルに期待を寄せているからです。このような場合、PERは投資判断の際の利用価値はほぼゼロだと思います。

逆に上場してから50年、100年も経っているような老舗企業の場合、もうしっかりとビジネスが確立されている場合が多く、よほどの不況や経営不振でない限り利益がちゃんと出ている場合が多いです。そのような銘柄ではPERの利用価値はある程度あると思います。

なおA社とB社のPERを比べる時、他業種間の銘柄でそれを比較するのは殆ど意味がありません。だから相対PERを見比べる時は必ず同業他社と比べて下さい。

さらに「A社のほうがB社よりPERが低かった!」からといって必ずA社のPERがB社のそれに鞘寄せするという性質のものではありません。割安な株は、万年割安のままで放置されることが多いです。ですから(PER格差は解消しない)と決めてかかった方が、ひとりよがりでない投資ができると思います。

さらに一般に成熟産業ではPERは低いです。銀行や、最近では製薬セクターもPERが低いことが常態化しています。

市況株の場合、かならずしもPERが低いときが「買い場」ではないと思います。むしろ不況の影響で赤字に転落しているときのほうが株価は騰がりやすかったりします。これがPERを手掛かりに投資することのむずかしさです。

**PERがべらぼうに高い株、とりわけ成長株でそのような状況になっている場合は、そのような銘柄は市中金利の上昇に弱いです。**逆にPERがとても低い会社は市中金利の上昇に強いと言えます。

若い企業の場合、本業で儲けたお金は本業に再投資し、もっと業容を大きくしたほうが株主に報いることが実現しやすいです。若い企業の場合、殆どの会社が自社株の買戻しや配当を出してない理由はそこにあります。

しかし事業規模が大きくなり、もう成長余地が限られて来たら、本業で儲けて利益の余剰分は株主に還元したほうがいいと考える経営者も出てきます。自社株を買戻しするのはそのようなケースです。

さらに別のカタチで株主に報いる方法として配当を出すという決断をする企業もあります。配当が出せるということはその会社が安定的に儲かっていることを意味するので、これは当然、歓迎すべきことです。

しかし成長企業が初めて配当を出すと、それは「私たちはもはや成長企業ではありません」という宣言をしたと受け止められかねないので、逆に投資家から嫌気される場合もあります。