オスカー・ヘルスは遠隔医療を強調した個人向け健康保険 近くNYSEにIPO
2021年3月1日 18:06
オスカー・ヘルス(ティッカーシンボル:OSCR)はテクノロジーを駆使した個人向け健康保険の会社です。3月3日頃、ニューヨーク証券取引所に新規株式公開(IPO)を予定しています。
今回売出し株数は3100万株で価格レンジは32から34ドルです。幹事団はゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、アレン&カンパニー、ウエルズファーゴなどです。
同社は2012年に創業され、本社はニューヨークのトライベッカにあります。
同社はウェブを通じて顧客を取得し、顧客に対するサービスもなるべくウェブを通じて行う事で個人の病歴や診療記録、保険の支払記録など複雑な医療決済のスピードをUPし、満足とロー・コストを加入者に届けることを狙っています。
この目的のために同社は全てのソフトウェアをクラウド上で自社デザインし運営しています。つまりテクノロジー企業としての側面と、保険会社としての側面の両方を兼ね揃えているわけです。
2021年1月31日現在の加入者数は52.9万人です。2017年以来、年率59%で成長してきたことになります。健康保険のビジネスは州ごとに認可されており現在オスカーはカリフォルニア、フロリダ、テキサス、ニューヨークなど15州で営業しています。営業を許されている郡における市場占有率は約10%です。
個人向け健康保険はオバマケア(ACA)が導入されて以来、個人がウェブ上で各社の保険プランを比較し、購入を決める制度になっています。その関係でオスカーのように自社営業隊を抱えず主にウェブを通じてマーケティングする企業にとってもチャンスがあります。
保険会社のコスト構造を把握する重要な経営尺度にメディカル・ロス・レシオ(MLR)があります。これは被保険者が病気になり保険金を払いだした金額が受入保険料の何%にのぼっているか? を測る尺度です。現在のオスカーのMLRは84.7%です。3年前は96%だったのでかなり改善してきています。
もうひとつのコスト構造を知る尺度がアドミニストラティブ・エクスペンス・レシオ(AER)です。こちらも3年前の50%から現在は26.1%にまで下がって来ています。
このMLRの84.7%とAERの26.1%を足し算した数字、すなわち110.8%がコンバインド・レシオと呼ばれる数値であり、保険会社が本業から儲けているか? を知る重要な指標です。この数値は低ければ低いほど良いです。またこの数値が100を超えていれば受入保険料より出てゆく出費の方が多いわけですから、儲かってないという判断になります。現在、オスカーは110.8%なので受入保険料より出費のほうが1割ほど多く、赤字です。
これは今後加入者が増えることにより固定費をより多くの加入者で負担することからAERがいっそう下がることにより改善すると思われます。MLRは業界平均よりやや高いので更に改善の余地があると思います。
2020年の受入保険料は16.72億ドルでした。売上高は4.63億ドルでした。赤字額は4.07億ドルでした。