ドローン通勤ベンチャーのアーチャー・エビエーションがSPAC(特別買収目的会社)と合併により裏口上場
2021年2月11日 00:35
アーチャー・エビエーション(暫定ティッカーシンボル:ACIC→将来はACHRへ)が著名インベストメント・バンカー、ケン・モーレスのSPAC、アトラス・クレストと合併、裏口上場することになりました。
先ずこのSPACを率いているケン・モーレスですが、投資銀行モーレス&カンパニーの創業者です。彼は元UBSのスター・バンカーであり、もともとDLJからキャリアをスタートしました。
アーチャー・エビエーションはEVTOL(垂直に上昇できる電気ドローン)の設計、運営を目指す会社であり将来的にはEVTOLのライド・シェアリングを本業とする考えです。
今日、発表されたディールではまずユナイテッド航空(ティッカーシンボル:UAL)がアーチャー・エビエーションの開発したEVTOL、「メーカー」を10億ドル分、購入します。
これと並行して今日発表されたディールでは世界第4位の自動車メーカー、ステランティス(昔のフィアット・クライスラー)がアーチャーに出資すると同時に将来、「メーカー」の生産の下請けを行います。
今回の合併は2021年第2四半期中に株主の承認を得て完了する見込みです。
今回の合併ではアーチャーのバリュエーションを27億ドルと踏んでいます。これは同社の2026年の予想売上高の1.2倍、EBITDAの4.2倍です。
今回の合併によりまず5億ドルがキャッシュがSPACから提供されます。加えて同時進行する6億ドルのPIPE(私募)により、ユナイテッド・エアラインズ、ステランティス、エクサー、バロン・キャピタル、フェデレーテッド・エルメス・カウフマンファンズ、アブダビ政府のムバダラ・キャピタル、パトナム、アクセス・インダストリーズが同社に投資します。
合計すると11億ドルを今日、調達したことになります。
モルガンスタンレーの試算ではEVTOL市場は2040年までに1.5兆ドル市場になると予想されています。
アーチャーのEVTOL、「メーカー」の設計は元エアバスのEVTOL部門の総責任者だったジェフ・バウワーが担当しました。
EVTOLの運行に当っては連邦航空局(FAA)からの承認が必要になりますが、その折衝を行うのは元FAAで小型遊覧飛行機のメーカー、パイパーでFAAの窓口担当をしていたエリック・ライトが担当します。なおエリック・ライトは「ライト兄弟」の末裔です。
将来、アーチャーはEVTOLのライド・シェアリング事業を本業としたい考えですが、そのルート構築に当り、携帯電話のトラッキング・データ、「プライム・レディエント」を購入しました。これにより人の通勤の状況を分析し、最適のルートを模索します。
アーチャーのEVTOL「メーカー」ですが、航続距離は60マイル、時速150マイル、騒音は45デシベルです。運行費用はパッセンジャー・マイル当たり3ドル30¢です。