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ロビンフッド族が著名ヘッジファンドを危機に追い込む ウォール街の重鎮たちによる支援でなんとか生き延びる

2021年1月26日 07:27

今日、ウォールストリート・ジャーナルが著名ヘッジファンド、メルヴィン・キャピタル・マネージメントがゲームストップ(ティッカーシンボル:GME)株のショートで焼かれて危機に陥り、シタデルポイント72というウォール街の重鎮ファンドから資金を受けいれることで何とか延命した顛末を報道しました。

これはロビンフッド族と呼ばれる無数の泡沫個人投資家が一致団結して巨大ファンドを絶体絶命まで追い詰めた、とても稀で、象徴的な出来事だと思います。

まずメルヴィン・キャピタル・マネージメントがどういう会社か? ということですが、主宰者は元SACキャピタル・マネージメントのトップ・ファンドマネージャーだったゲイブ・プロトキンです。

SACキャピタル・マネージメントはウォール街きってのストック・ピッカー、スティーブン・コーエンのヘッジファンドです。いわゆる「のれん分け」によって「イチの子分」だったゲイブに独立する機会を与えたというわけです。

ゲイブはスティーブン・コーエンから10億ドルの投資資金を預けてもらい、コーエンの期待に応える形で去年まではトップ・パフォーマンスを上げていました。

しかし今年に入って個人投資家がチャットルームで囃す人気株を次々にショートし、担がれて、焼かれました。その関係で先週末の時点でメルヴィン・キャピタル・マネージメントのパフォーマンスは-30%だったそうです。

普通、そういう酷いパフォーマンスになるとお金を預けている年金などの投資家はそのヘッジファンドからお金を引き揚げはじめます。メルヴィン・キャピタル・マネージメントもそのような解約のプレッシャーに晒されたのだと思います。

今回、救済の目的で資金を預けたのは先述のスティーブン・コーエンの個人資産運用会社、ポイント72と、同じくウォール街で隠然たる存在感をもつケン・グリフィンのシタデルです。この2社が27.5億ドルを新たにメルヴィン・キャピタル・マネージメントに預けます。

こうすることによって浮足立っていた他の投資家をなだめ、マージンコールなどに対応できる体制にしたのだと思います。

スティーブン・コーエンも、ケン・グリフィンも、とても厳しい投資家であり、人情に流されるような連中ではありません。この窮地にゲイブ・プロトキンに救いの手を差し伸べるということは、十分勝算あってのことだと思います。

いや、ゲームストップを160ドルの高値で掴んだ個人投資家は、もう息をしてない可能性もあるわけで、すでに攻守の立場は入れ替わっていると考えるべきだと思います。

ロビンフッド族は老獪なベテラン投資家たちを敵に回しているのだから覚悟して臨むべき。