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「良い決算」をてがかりに投資する手法はシクリカル株にもあてはまる?

2020年12月28日 17:53

「良い決算」とは①EPS、②売上高、③ガイダンスのすべてでコンセンサス予想を上回るような決算を指します。

ある銘柄が「良い決算」を出したのを確認した後で買う……そしてその銘柄が「良い決算」を出し続けている限りその銘柄を保有し続ける……これを励行するだけであなたのポートフォリオのパフォーマンスは見違えるほど良くなります。

またそのように1回も決算をしくじらないような銘柄は買い値から5倍、10倍になることも珍しくありません。

このように「良い決算」が出せる会社? というごく当たり前のことをちゃんと確かめるのは投資において極めて重要なのです。

若い会社ほど新規株式公開(IPO)した後で「良い決算」を出し続けることが重要になります。

その理由はカンタンです。若い企業は未だ市場参加者から心の底から信頼されていないので、すこしでもミスをすれば投資家はその株を見捨てるからです。

おうおうにして決算のとりこぼしはクセになります。つまり一度「良い決算」を出せなかった会社は二度、三度と同じヘマを立て続けにやらかします。その過程で株価はボロボロになります。

ある意味、ニューヨーク証券取引所に50年以上も上場されているような会社は、ずっと昔、その会社が若かった頃、きっと「良い決算」を出し続けた輝かしい歴史をもつところばかりです。

その昔年の実績の上に、投資家との信頼関係がガッチリと構築されているのです。

どの業種でもそうなのですが、新しいテクノロジーや新しい産業が登場すると、それは急成長します。

たとえばRCAは1919年に創業された会社で「ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ」という名前が示す通りラジオの製造、ラジオ放送設備の建設などを行う会社でした。真空管、蓄電器、テレビ受像機などのハイテク製品を次々に発表したグロース株でした。

しかしラジオやテレビはその後成熟産業になり、成長しなくなりました。

ある新技術が広く社会に普及するとそのセクターの成長率は限りなくその国のGDP成長率に近い速度でしか成長できなくなります。そして景気に自然な波があるように、その企業の商売も景気の波の影響をだんだん受けるようになります。

このように景気に左右されやすい成熟ビジネスをシクリカル株と呼びます。

シクリカル株は長期で均してみれば低成長です。低成長株に投資家は高いバリュエーションを付与しません。

しかし自然な景気の浮き沈みの影響を受けやすい関係で(そのサイクルをうまく捉えてやろう)と考える投資家からチヤホヤされる局面があります。イメージでいえば正弦波(サインカーブ)の下限あたりで買い、上限あたりで手放せば、効率よく、サクサクとトレードできるというわけです。

株価には先見性があり、先々をどんどん織り込んでゆく習性が見られます。

するとシクリカル株が景気全般の悪影響を受けて業績的に低迷している時、株価は一足先に「将来のものごとの好転」を先読みし、見切り発車的に上昇しはじめるのです。

冒頭のところで論じた「良い決算」との絡みでこの現象を点検し直せば、(あれ、いま「悪い決算」を出したところなのに……株価はもう騰がりはじめている!)というチグハグが起こりやすいのです。

いや、極論すればシクリカル株は実際に業績が好転する直前に買い始めるべきであり、逆に業績がピカピカに良くなった時には、そろそろ足抜きを考える必要があるのです。

早く手放さなければいけない理由は、シクリカル株は低成長の成熟産業に多く、「今後の成長の天井が低い」ので、遅かれ早かれ業績が頭打ちになることは火を見るより明らかだからです。