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米国証券取引委員会がリップル社と二人の幹部に対し証券登録をせず13億ドルの資金調達をしたと起訴

2020年12月23日 05:59

今日米国証券取引委員会(SEC)がリップル社とそれに関連する二人の幹部に対し「証券登録をせず13億ドルの資金調達行為を行った」として起訴しました。SECが勝訴するかどうかはいまの時点ではわかりません。

被告はリップル・ラボInc.ならびに同社の共同創設者で会長であるクリスチャン・ラーセン、そしてブラッドレー・ガーリングハウスCEOです。

SECは「2013年以降、これら3被告は非登録証券(注:XRPのこと)を米国内および世界で売出したことにより累計で13億ドルを調達してきた、これは証券法違反だ」と主張しています。

加えてリップル社は役務提供やマーケット・メーキング業務などのサービスに対し現金の代わりにXRPで支払う事を通じ、XRPを流通させてきたと指摘しています。

こうして販売されてきたXRPはリップル社の経営のやりくりに投入されてきたことに加え、ラーセンならびにガーリングハウスの両人は個人的に6億ドルを手にしたとしています。これは連邦証券法に明らかに違反しているというわけです。

SEC監視部のステファニー・アヴァキアン部長は「ひろく個人投資家を巻き込んだ公募行為を行い、さらにセカンダリー・マーケット(資金調達後の投資家間の自由な売り買い)で証券をトレードさせようと思えば発行体は連邦証券法を順守しなければならない」とコメントしました。「3被告は証券を登録しないまま一般投資家に販売し、結果としてリップルのビジネスに関するじゅうぶんな開示を怠り、長年、アメリカが堅持してきている投資家保護のためのルールを破った」というわけです。

リップルは2004年にライアン・ファガーによって考案された仮想通貨です。つまりビットコインより歴史が古いのです。

ライアンはカナダのバンクーバー出身のウェブ・デベロッパーです。ライアンはウェブでお金を送金する方法を、色々思案し、次のような方法を編み出しました。

A君はBさんを知っている。BさんはC君と友達だ。C君はD氏がたいへん信頼できる人物だと知っている……

この場合、A→B→C→Dと言う経路で、「波状」に、お金を渡して行けば、安心できる、信頼を基礎にしたつながりを通じて送金できるというわけです。このような信頼に根ざした送金のコンセプトをRipplePay.comと名付けました。

RipplePay.comは多くの支持を得ることができず、テイクオフしませんでしたが、そのプロトコルは2013年にオープンコイン(当時)というプロジェクトとして再試行され、著名VC、アンドリーセン・ホロウィッツからの資金注入を受けました。このプロジェクトは後にRipple Labsという名称に変わっています。

VCから投資を受けていることからも明らかなように、リップル・ラボは「会社」です。

さて、リップルがビットコインと大きく違う点は、マイナーが居ないということです。ビットコインが「相手が誰であろうと=すなわち信頼できる、できないにかかわらず、取引だけはちゃんとできる仕組み」であるのに対し、リップルは「信頼の輪」というサブネットワークの上に分散型ネットワークを築くという方法を採用しています。言い換えればビットコインが性悪説ならリップルは性善説に基づいています。

リップルはトラステッド・ゲートウェイという「終点」を設け、そこでお金の預け入れや引き出しを受け付けます。

リップルでの送金は、ちょうどインターネットで情報のパケットを送信するのとおなじようなラウティング(routing)を通じて相手に届くというわけです。

もしユーザーがトラステッド・ゲートウェイを利用したくない場合は、リップル自体の暗号通貨、リップルズ(XRP)を使うことも出来ます。

さて、XRPの問題点はマイニングというプロセスを経ない関係で、自然かつ徐々にXRPを放出してゆくメカニズムが無いと言う点です。

当初設定された1千億XRPは、Ripple Labsによって保有されています。これが「中央集権的だ」と感じる仮想通貨関係者も多いです。またそれが一か所に集まっていることから、株式の売出しに限りなく近い印象を与えがちです。

そしてこれがどういう方法で放出されるのかがわからないので、投資家は常に「売り浴びせ」に対する不安を抱いています。

リップルはこのような問題を抱えているため、苦肉の策として、個人投資家間の取引よりも、むしろ初めから「信頼されている者同士」であるメカバンク間の取引ツールとして活路を見出そうとしています。

これは既に1973年から存在する国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済ネットワークと良く似ています。